粉じん爆発について

粉じん爆発とは

多くの粉体は燃える性質があります。その可燃性粉体が大気中で一定濃度の浮遊状態となり、そこに火花や静電気などの着火源が触れ発火すると、爆燃と呼ばれる激しい燃焼反応が起きます。
この爆燃によって重篤な火傷につながる危険性がありますが、その爆燃が集じん機などの閉鎖空間で発生すると、気体の膨張により装置や容器内の圧力が急激に高まり、結果としてその圧力上昇に強度が耐え切れなくなると装置や容器は破壊され、火炎を伴なう爆風が一気に噴出される粉じん爆発へとつながります。
粉じん爆発が発生すると、燃焼粉体の噴出、装置や容器の破片の飛散など大変危険な状態となるとともに、延焼や2次、3次の粉じん爆発を引き起こす可能性もあります。

粉じん爆発対策の規格と企業責任

日本では、粉じん爆発対策について、欧米のような細かい規格は定められておりません。しかし、事故が起きてしまうと企業は労働安全衛生法違反としての罰則を受ける可能性があります。
また、罰則の回避や義務という観点のみならず、作業者の安全を確保し安定操業を続けるためにも、粉じん爆発対策は積極的に検討されるべきです。
欧米では、粉じん爆発対策について具体的な規格が定められ、機械メーカーや粉体プロセスを持つ企業は、欧州標準化委員会や全米防火協会が定める規格を遵守する責務があります。作業者の安全が確保され、爆発事故に対するリスク管理が徹底されることにより、万が一事故が起きたときにも、いち早く通常の生産体制に戻すことが可能となり、操業停止期間の短縮につながります。

粉じん爆発対策~予防と防護~

粉じん爆発の対策には予防と防護という2つの考え方があり、予防は爆発を未然に防ぐ方法で、防護は爆発が起きた際の被害を軽減する施策です。
予防は、燃焼物(粉体)、酸素、着火源、一定濃度の浮遊状態、閉鎖空間という粉じん爆発の発生条件を成立させないようにする方法であり、また被害を軽減する防護には以下の方法があります。

  • 爆発放散 - 装置や容器を保護するため、意図的に設けられた放散口から圧力を放出
  • 爆発抑制 - 爆発発生時に消火剤の噴射により爆発の進行を制御
  • 爆発遮断 - 爆発の伝播を防ぐため弁、ロータリーバルブ、消火剤の噴射で配管や出口を遮断
  • 耐圧型装置 - 装置や容器の耐圧を高め、爆発を封じ込め

粉じん爆発に対する放散面積の算定

労働安全衛生総合研究所 刊行 爆発圧力放散設備技術指針 NIIS-TR-No.38 (2005)より
入手先:公益社団法人 産業安全技術協会

用語

Av

所要放散面積

V

爆発放散の対象となる容器/装置の容積

L/D

対象となる容器/装置の内径Dに対する長さLの比
円筒形以外の装置形状の内径は相当径 DEを使用する 【DE =2(断面積/π)0.5

Pred

爆発放散口が作動し圧力を放散した際に容器/装置に加わる圧力の最大値
容器/装置は少なくともこの圧力に耐える強度が必要であり、計算上は耐圧強度を使用

Pstat

静的動作圧力(爆発放散パネルを開放させる設計圧力)

Kst

対象粉体の爆発指数(最大圧力上昇速度に基づいて定義される指数)

Pmax

対象粉体の最大爆発圧力(耐圧密閉容器中の爆発により発生する圧力の最大値)

計算式

長さと内径の比 (L/D) が2以下の値の場合

Av=(8.535×10-5)(1+1.75Pstat)KstV0.75{(1-Π)/Π}1/2 [m2] ・・・(式3.5)
※ Π=Pred/Pmax

長さと内径の比 (L/D) が2を超え6以下の値の場合

式3.5で得られるAvを使い、次式の増分ΔAをもとのAvに加える。

ΔA=1.56Av{(1/Pred)-(1/Pmax)}0.65log10{(L/D)-1} [m2] ・・・(式3.6)

簡易計算プログラム

本計算プログラムは参考用の計算例であり、個別の事例における所要放散面積を保証するものではありません。実際に設置される爆発放散口の開口面積は、具体的な設置条件に基づき決定される必要があります。放散ダクトを使用される場合など計算の補正が必要になりますので、別途ご相談をお願いします。

V

m3

L/D

Pred

kPa

Pstat

kPa

Kst

102kPa・m/s

Pmax

102kPa

所要放散面積

粉じん爆発防護装置

粉粒体機器を提供するアイシン産業では、さらに安全な粉体プロセス実現に貢献するべく世界で認められた爆発防護装置や爆発遮断ロータリーバルブを取りそろえ、対策について的確に提案させていただいております。

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